IBUSHIGIN / 燻銀

シアンしか色が残ってない窓のポスター
なぜ誰もが剥がさず色褪せた
時と共に失われた住処
いつ犯した罪か

どんだけ裏切られても
大切なもの盗まれても
この自負だけは価値に繋がる
学びがあれば明日は軽々と
飛び越えてみせる誰かに仕込まれた
柵と罠に封じ込められた
光り方を忘れた蝋燭は
芯の見つけ方をダウンロードした
誇りがあれば揺らぎなく映る炎
百八掛ける百八の煩悩
指針があれば迷わずにどの
道でも一から実現可能
右脳の断面図のような瑪瑙
松果体の反応、寝ててもメモ
意識は眠れず一晩思案
明け方そっと取りに行く

こん畜生、この野郎
人様をよ、舐めてるんだろ
幅を効かせるのも良い加減にしろ
風を吹かせるのも大概にしろ
そら法螺を吹くのも目に余るし
大風呂敷広げれば鼻につくし
どっからその傲慢が湧き出て来るのか
こっちの方が知りたいくらいな摩訶不思議
人の振り見て我が身は不死身
狭間で揺れる自信と羞恥心
乗り越え自力本願で無事に
舞台に立つ渋さはいぶし銀
成金は歩に劣る集客
詰んでも指し続ける終局
惨めさと憎しみが混じって
堕ちるとこまで堕ちて染みる