hollow note

Hollow Note
頬なぞる冷たい風
白い息 空へ消えて
その場で立ち尽くしたまま
言葉が出てこないんだ

またね、なんて笑う君は
もう二度と来ないくせに
去っていく君の背中
ただ見つめた

霞む空 滲んでいく
見慣れていた景色
君の跡だけ残して

さよならさえ言えないまま
これが結末なら
明日なんていらないよ
何もいらない

降りしきる雪はそっと
音もなく心に
そして春を忘れるんだ

まだ微かに指先 残る温度
思い出は風に揺れる
移る季節の中 君は
もういないんだ

伝えたい言葉も 忘れられない気持ちも
胸の奥でずっと疼いてる

目を閉じて 浮かぶ君が
色褪せたときに
本当の終わりが来る

行き場のない最後の手紙
過ぎていく時間
届かないと知っていても
捨てられない

いつの日か この涙も
乾いていくんだろう
そのときはまた前を見て
光を探せるように

降りしきる雪はいつか
溶けて消えていく
そしてすべて忘れるんだ